猫は人間の言葉を理解しているの?最新の研究から探る

animal-4540649 猫ブログ

猫と暮らす人なら誰もが一度は考えたことがあるのではないでしょうか。「うちの猫は私の言葉を理解しているのだろうか?」と。
猫は時に人間の言葉に反応しているように見えますが、実際のところはどうなのでしょうか。
今回は、最新の研究結果をもとに、猫の言語理解能力について探ってみましょう。

## 猫の認知能力:意外と高度?

まず、猫の認知能力について触れておく必要があります。最新の研究によると、猫は以前考えられていたよりも高度な認知能力を持っていることが分かってきました[1][5]。

猫の知能は、一般的に1歳半から2歳半程度の人間の子どもと同等だと言われています[6]。これは、ある程度の言葉を理解できる年齢です。さらに、猫は優れた聴覚を持っているため、人間の言葉を「音」として判断できる能力があります[6]。

## 自分の名前は理解している

2019年に上智大学の研究チームが行った実験で、猫は自分の名前を理解していることが科学的に証明されました[1][10]。この実験では、約70匹の猫に対して、自分の名前や他の猫の名前、同じような音の単語を聞かせました。結果、ほとんどの猫が自分の名前に対してのみ強い反応を示しました。

これは、猫が少なくとも自分の名前を他の言葉と区別できることを示しています。日常生活の中で繰り返し呼ばれることで、自然と覚えていくのでしょう。

## どのくらいの言葉を理解している?

研究者によると、猫は平均して約20語程度の言葉を理解していると考えられています[2]。ただし、人間とよく話す環境にいる猫は、その倍くらいの言葉を理解している可能性もあるそうです。

特に、「ごはん」「おやつ」「ダメ」などの、自分に直接関係のある単語は理解しやすいようです[2][6]。これらの言葉を聞くと、急に現れたり、期待に満ちた表情を見せたりする猫も多いのではないでしょうか。

## 言葉の意味よりも、トーンを理解している?

興味深いのは、猫は必ずしも言葉の意味そのものを理解しているわけではないという点です。むしろ、飼い主の声の大きさや高さ、トーンから、喜怒哀楽を理解しているようです[2]。

例えば、怒っているときの声のトーンを聞けば、叱られていることは分かります。しかし、なぜ叱られているのか、その原因となった行動を反省することは難しいでしょう[2]。

## 飼い主の声を識別できる

2022年に発表された研究では、猫は飼い主の声を他の人の声と区別できることが分かりました[8]。この実験では、16匹の猫に対して、飼い主や見知らぬ人の声の録音を聞かせました。

結果、猫は飼い主が自分に呼びかける声にのみ反応を示しました。さらに興味深いことに、飼い主が他の人に話しかける声には反応しませんでした。つまり、猫は飼い主の声を認識し、さらに自分に向けられた呼びかけかどうかも判断できるのです[8]。

## 他の猫の名前も覚えている?

多頭飼いの家庭で暮らす猫を対象にした実験では、猫が他の猫の名前も認識していることが示唆されました[7]。この実験では、ある猫の名前を呼んだ後、その猫とは別の猫の写真を見せると、被験者の猫は予想外の反応を示しました。

これは、猫が他の猫の名前と顔を関連付けて記憶していることを示唆しています。ただし、この能力は主に家庭で多頭飼いされている猫に見られ、猫カフェなどの環境では顕著ではありませんでした[7]。

## 猫の言葉の理解:まとめ

以上の研究結果から、猫は以下のような言語理解能力を持っていると考えられます:

1. 自分の名前を理解し、他の言葉と区別できる
2. 平均して20語程度、多い場合は40語程度の言葉を理解できる
3. 飼い主の声を識別し、自分に向けられた呼びかけを認識できる
4. 言葉の意味よりも、声のトーンから話者の感情を理解する
5. 多頭飼いの環境では、他の猫の名前も認識できる可能性がある

## 最後に:猫とのコミュニケーションを深めるために

これらの研究結果は、猫が私たちの想像以上に人間の言葉を理解し、それに反応していることを示しています。しかし、猫の言語理解は人間とは異なり、主に声のトーンや繰り返しの経験に基づいていることを覚えておく必要があります。

猫とのコミュニケーションを深めるためには、一貫した言葉遣いと明確なトーンを使うことが重要です。また、猫は自分に関係のある言葉を覚えやすいので、日常的に使う言葉を意識的に選んで使うのも良いでしょう。

最後に、猫は個性豊かな動物です。言葉の理解度も個体差が大きいと考えられます。自分の猫の反応をよく観察し、その猫に合ったコミュニケーション方法を見つけていくことが、より深い絆を築くコツかもしれません。

猫は私たちの言葉を完全に理解しているわけではありませんが、確実に私たちとコミュニケーションを取ろうとしています。その努力に気づき、応えていくことで、より豊かな猫との暮らしが実現できるのではないでしょうか。

Citations:
[1] https://toyokeizai.net/articles/-/305086
[2] https://cat.benesse.ne.jp/withcat/content/?id=127684
[3] https://cat.benesse.ne.jp/lovecat/content/?id=97564
[4] https://inuneko-seikatsu.co.jp/shop/information/202304_cat
[5] https://www.tamaone.jp/ext/magazine/2024/05/cat-cognitive-function2024.html
[6] https://home.kingsoft.jp/news/amusing/nekochan/29688.html
[7] https://pet-info.event.rakuten.net/articles/15172114784
[8] https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2022/11/post-100110.php
[9] https://www.wanibookout.com/64258/
[10] https://sippo.asahi.com/article/14356910

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